金融ADR制度とは、金融機関と利用者とのトラブルを、裁判以外の方法で解決を図る制度です。
金融商品取引法の改正により平成22 年10 月1 日以降、すべての金融商品取引業者に、苦情処理措置及び紛争解決措置を講じることが義務付けられています(金融商品取引法第37 条の7)。
具体的には、以下の対応が必要になります。
(1)指定ADR機関が存在する場合には、当該機関と手続実施基本契約を締結する義務
(2)指定ADR機関が存在しない場合は、苦情処理措置及び紛争解決措置を講ずる義務
現状、指定ADR機関が存在しないので、(2)の対応として、以下の事項の内、一又は複数を選択する必要があります。
(a)苦情処理措置
・苦情処理に従事する従業員への助言・指導を一定の経験を有する消費生活専門相談員等に行わせること
・自社で業務運営体制・社内規則を整備し、公表等すること
・金融商品取引業協会、認定投資者保護団体を利用すること
・国民生活センター、消費生活センターを利用すること
・他の業態の指定ADR機関を利用すること
・苦情処理を公正かつ的確に遂行できる法人を利用すること
(b)紛争解決措置
・裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律に定める認証紛争解決手続を利用すること
・金融商品取引業協会、認定投資者保護団体を利用すること
・弁護士会を利用すること
・国民生活センター、消費生活センターを利用すること
・他の業態の指定ADR機関を利用すること
・紛争解決業務を公正かつ的確に遂行できる法人を利用すること
よく聞くのは、証券・金融商品あっせん相談センター(略称:FINMAC)の利用です。